みなさんはブランド品を買ったことはありますか？そして、ショッピングの際に「ステキだなぁ」と思い、値札を確認したら「高い！」とびっくりした経験はありませんか？決して衝動買いは出来ない価格帯ですよね。

ブランド品が高価なのが当然の様に思っていますが、「ブランド品は、なぜ高いのか？」その理由を考えてみました…。

伝統と格式

ハイブランドの起源はフランス、イタリア、イギリスをはじめとするヨーロッパから始まり、人気の高い「エルメス」は1837年に創業後200年以上の歴史を誇り、その後に1910年に「シャネル」、1946年には「クリスチャンディオール」といったような、今でも知名度の高いハイブランドが誕生しました。どれも100年以上の歴史があり、伝統だけでなく格式も兼ね備えているブランドが「ハイブランド」と呼ばれています。

しかし、世界中の多くの人に知られているハイブランドのショップは、どれも開店当時は「普通のお店」でした。

• • 馬具作りの工房から始まった HERMES（エルメス）
  • 街の帽子屋から始まった CHANEL（シャネル）
  • 防水旅行カバン専門店として誕生した Louis Vuitton（ルイヴィトン）
  • 旅行カバンや馬具の革製品を取り扱っていた Gucci（グッチ）
  • 兄弟二人で始めたカバン工房の PRADA（プラダ）

ハイブランド品が高いのは、それぞれのブランドが何10年〜何100年を越えた歴史の中で、ブランドの価値を落とさないために格式を維持し続けた努力の価値でもあります。

高い品質とデザイン性

「普通のお店」は徐々に上流階級の貴族などを顧客とするようになり、現代では一般的に富裕層をターゲットとしている「ハイブランドのお店」となりました。そんな人々を魅了するブランドのアイテムは、素材の厳選だけでなく裁縫技術や生地などすべてにおいて質にこだわっています。そして同じ皮革や素材を使うにしても最も希少性の高いクロコダイルやオーストリッチといった物を使ったり、熟練の職人が手作業で丁寧に作り込んでいます。パーツごとに繊細なデザインがされているので作業工程も増え、完成までの時間も費やされる為に量産がなかなかできません。

才能に溢れブランドを象徴するファッションデザイナー（クリエーティブディレクター）により描かれたデザインは、伝統を大事にしつつもそのシーズンやトレンドもしっかりと意識し取り入れた斬新なシルエットであり、専門の職人による高い技術から生み出される確かな品質を誇っている芸術作品とも言えます。どれも細部にまでこだわり抜いているので必然的に流通量が少なくなり、値段は上がってしまいます。

シャネル専門アトリエの職人技

刺繍、羽根細工、花細工、グローブ、靴、帽子、金銀細工を専門とするメティエダール（“芸術的な手仕事”を意味するフランス語）アトリエのサヴォアフェール（唯一無二のノウハウ）。ひとつのシルエットの完成に向けて、全ての職人たちの間でクリエイティブな対話が交わされます。妥協を許さない数百時間にも及ぶ手作業や、絶対的な精度が求められるフィッティング、画期的な素材、唯一無二の織り技術、表現の再解釈を通して、シャネルが理想とする美しさが形作られて行きます。

マドモアゼルプリヴェ展より

ファッションショー

“4大コレクション”とされている、「パリ・プレタポルテ・コレクション(パリコレ)」「ミラノコレクション」「ロンドン」「ニューヨーク」などのファッションショーは、新しい流行やブランドの打ち出したいイメージを宣伝・広告する大きなイベントになります。日本では「コレクション」と呼ばれることが多いですが、ミラノやパリでは約1ヵ月にかけてファッションの祭典が開催されるので「ファッション・ウィーク」と呼ばれています。

次のシーズンのために各ファッションブランドがこぞって新作の洋服やアクセサリーなどを何着も揃え、モデルたちに身に付けさせて観衆に披露する事によってその魅力をアピールして世界中のファッション業界に影響を与えます。そのためにファッションショーのステージには「デザイン」「衣装」「縫製」だけだはなく「舞台の構成演出」「会場内の装飾」「ランウェイ（舞台）の設営」「音響」「映像」「照明」「フィッター」「ヘアメイクアーティスト」など多くのスタッフが携わり構成しており、有名なスーパーモデルを起用すればなおのこと（１回のショーで数十万～数百万円という破格のギャランティー）ショーにかかる経費は、約2000万～１億円前後と言われています。

ブランドの世界観を表現するプレゼンとして抜群なチャンスである“4大コレクション”の全てに発表するならば、年間のコストは最大4億円にも及びます。これだけの金額をつぎ込めるだけの資本金がなければ、ハイブランドとして継続し続けることは難しいのです。

シャネル 2022年春夏コレクションのフィナーレ

ブランドイメージ

ブランドは望ましいイメージを作り出すということが重要であり、広告が有効な手段であるので絶え間なく世界中のメデイアでＣＭを流し、ファッション雑誌などへ莫大な宣伝広告費も投じています。

そして世界の主要都市の一番高級感がある通りにブティックを構え、有名なデパートに出店しており、いかにも入り難いくらいの高級オーラを発している店舗ですが、テナント代もかさんでいます。

それでもブランド側は、個性（信頼感・高級感など）と、商品やサービスが顧客に与えるイメージを、ブランド企業と社会が一緒になり世間へ与える「蓄積される心理的な価値」を作り上げます。ひとたび個性があるブランドとして価値を高められれば、競合との差別化ができ、憧れの存在になっていきます。シャネルならシャネルというブランド価値の世界観を維持するためにかけられた値段が加えられていることです。

顧客のロイヤル化

ブランドのイメージが確立して、親しみや信頼が増大されるとブランドロイヤリティ（他の代替ブランドがあるにも関わらず、ある特定のブランドを購入したい）と、特定のブランドに対する愛着や忠誠心が高い“お得意様”が付いてきてくれます。

お得意様（顧客）は特定のブランドを何度も繰り返し購入してくれ、長期的な売り上げの確保に繋がるためにイメージ戦略は非常に重要になると言えます。

ネームバリュー

ブランドのデザインやコンセプトなどが好きだから買う人がいますが、多くの人は単純に商品を買うのではなく、そのブランド品に付け加える価値を狙っています。ブランド名が世間によく知られ、その知名度が上がるほど名前の威力は顕著にあらわれます。

高級車が買えるほど高価なエルメスのバッグを例にすると、まったく同じクオリティで作られたオーストリッチのバッグがあったとしても、ロゴが刻印されていない何百万円もするバッグを誰が買うでしょうか？もしも安価で売っていたとしても、ロゴが入っていないなければ意味がないので決して売れません。

社会的な価値を持っているブランド品を身につけることで「センスがいい人」「オシャレな人」と見られ、それを身に着けている自分の能力と社会的価値を高め、自信を出したいからではないでしょうか？

値段が安い物よりも、値段が高い方が憧れる存在になりますので、ブランド品が高いのは「ネームバリュー（付加価値）」でもあります。

ライセンス事業

ガブリエル・シャネルのファッションはアメリカで大人気になり大量のコピー製品が出回りだしたころ、他のブランドは規制を強くしようと出ます。しかし彼女は自分のアイディアが他人に盗まれてコピーをされることを恐れるどころか、むしろ大衆化することを喜んでいました。「モードはストリートから生まれる」という考えから街中で流行している方を好み、著作権問題などは関係ないと思っていたので洋服店やメーカーなどに自由にコピー品を作らせていました。しかし絶対にロゴマークの刻印だけは使うことはさせなかったそうです。

ブランド店の多くはライセンス事業（企業のもつ商標や製造技術の使用許可）として、オリジナル作品やパターンなどを企業に販売するというブランドビジネスの手法もあります。契約を結んだ企業はそのブランド名で商品を製造したり販売をすることができ、その売り上げの使用料（ロイヤルティ）をブランド店に支払いながら儲けるという経営です。ブランド店側も市場リサーチの手間をかけず簡単に収益化ができ確実に製品を売ることができるメリットはありますが、長い目で見ると商品の質の低下がみられるなど本来のブランドが好きな顧客から敬遠されてしまうことが多いために、シャネルなどはライセンス事業に参入していません。

アウトレットとセール

ルイヴィトンも同じですが、すべての製品は自社内で製造しています。クオリティの高いものだけを販売しているので、アウトレット品（多少傷のついた商品、規格外の商品など）が市場に出回ることはありません。品質が低いものを流通させることによるブランドイメージの低下を防ぐためです。

セールも行なっていません。（シャネルはいつも利用しているVIP顧客の方を限定でファミリーセールを行ってはいるようですが）製品本来の価値がわからなくなってしまうからです。

10万円を支払って買った新作のお財布が、シーズン後に30％OFFの7万円になっていたら「セールまで待てばよかった」と残念に思いますよね？そして7万円でも買える程度のお財布なんだと思ってしまいますし、売ったブランド側も10万円で購入したお客様を裏切ることになります。こういった悪循環を引き起こしてブランドの価値を低下させてしまう要因を避けるためです。

高品質な物だけを一定価格のまま、直営店ブティックにて自社の社員から直接販売をして、お客様にどうお届けできているか顧客満足度を確認することで、インポートブランドの価値は一定の水準を維持しています。

インポートブランド

原産国の自社アトリエで製造されて、外国へ輸出販売されている。

• • HERMES（エルメス）
  • CHANEL（シャネル）
  • Louis Vuitton（ルイヴィトン）
  • GUCCI（グッチ）

ライセンスブランド

契約をしている企業も、独自で開発した商品などを販売している。

• • Burberry （バーバリー）
  • CELINE （セリーヌ）
  • Chloe（クロエ）
  • Dior（クリスチャンディオール）
  • FENDI （フェンディ ）
  • FURLA（フルラ）
  • GIVENCHY（ジバンシィ）
  • MARC JACOBS （マークジェイコブス）
  • PRADA（プラダ ）
  • RALPH LAUREN（ラルフローレン）
  • YSL（イブサンローラン）

※ アルファベット順

例えは、デパートのギフトやハンカチ、靴下、傘、ネクタイなど小物類を扱っているコーナーに、これらのブランドが陳列されているのを見た覚えはありませんか？ライセンス商品は偽物ではありませんが、正規に認められているもののブランドオリジナル製品とは全く違うものになります。

ライセンス事業に参入していない「シャネル」「エルメス」のハンカチ&タオルをご紹介します。

※ スマートフォンでご覧な方は、それぞれの表の商品名テーブルを左にスライドして下さい。表が動きます。

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シャネル メイクアップのノベルティになります。 オンブル プルミエール OMBRE PREMIERE アイシャドウ限定のハンカチで、カラフルなアイシャドウパレットをモチーフにしたドット柄の可愛いお品になります。手触りの良いシルク100％の素材で、大変レアな希少品です。	エルメスのジャガード織りの正方形のハンドタオルです♪シンプルなベージュのお色で一枚は持っていたい素敵なタオルで、常に人気があります☆エルメスジャポン株式会社（事業内容：パリ、エルメス社製品の輸入販売業務並びにエルメスブランドに於ける商標権行使に係わる一切の業務）のタグが付いたままの未使用品になります。消毒や手洗いの習慣が根付いたので活躍する機会も多いでしょう。プレゼントにもいかがでしょうか？	シャネルビューティー ノベルティのタオル3枚セットです。お色もブラック、アイボリー、レッドの3色で、コットン100%生地にワンポイントのシャネルのロゴが刺しゅうされています。とても素敵なタオルで希少な非売品になります。
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上記のライセンスブランドは、すでに契約を終了しているブランドも含んでいます。しかし一度、ライセンス契約が打ち切られてしまうと再契約にはなかなか至らないようです。やはりブランド力の低下が見られるためでしょう。